初めて小説を書いてみます3
みかぺんです。小説の書き方は学んだことないので、自己流で書いています。
よかったら読んでください。
☆☆☆
二、
雨上がりの朝。少しじめっとしたビル風が吹く中を、せっかく新調したリクルートスーツが汚れないように気を付けながら、美雨は名古屋のオフィス街である丸の内を歩いていた。東京にも丸の内があることを知らず、テレビや雑誌に出てくるオシャレな"丸の内のOL"というのはみんな名古屋の人だと思っていた。無論、真実を知った時には、やっぱり名古屋は東京には勝てないのだと悟ったのだが。
「大学名とお名前、それから志望動機を教えてください。」
「名山大学英文学科 長浜美雨です。私が御社を志望したのは、1年間のアメリカ留学で培った英語力と行動力を活かせると思ったからです。」
どちらかといえば、美雨は控えめな性格だが、商社で求められるのは社交的で行動力のある人材だと知っている。何社も受けなければならない就活に、御社への志望動機などあったものではない。この嘘の混ざった面接で、何を基準に選考しているのか、いささか疑問である。しかし、目的は内定を得ることだ。1年早く就活を経験している聡から伝授された必勝法は、1社でも多く受けることだった。
☆☆☆
《つづく》
みかぺん