mikapen’s diary

アメリカに住んでいます。旅行と読書と音楽が好きです。私のくだらないお話を聞いてください。

初めて小説を書いてみます11

つづきです。

 

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留学支援センターからの帰り道、パンフレットでパンパンになったリュックサックを背負った亮介が、「お礼にスイーツでも奢りますよ」と言うので、二人で最近できたというカフェに立ち寄った。
「この店は、フルーツのパフェがイチオシらしいっすよ。」
机に広げられたメニューを覗き込むと、鮮やかな写真が並んでいた。
「わー。本当に美味しそう。どれにする?」
「俺はメロンパフェにします。」
「じゃあ、私は、こっちの桃にしよっかな。」
「いいっすね。もしよかったらシェアしませんか?」
顔をあげると、亮介とバッチリと目が合ったので心臓が大きく脈を打った。「いいよ。」と言った声が少し上ずっていたかもしれない。何度も言うが、亮介はテレビドラマに出てくるようなイケメンなのだ。
「美雨さんに多めにあげますから、心配しないでください。」
「えー。私のこと食いしん坊みたいに言わないでよぉ。」
「だって、いつもコンビニスイーツもらって帰ってるじゃないですか。」
「うっ、あれは、廃棄にしたらもったいないでしょ。地球環境のためなの。立花君こそ若い男子なんだからいっぱい食べなきゃ。」
「へへ。美雨さんはいっぱい食べる男が好きっすか?」
「うん。そうだね。私より小食だと嫌かも。」
「あ、でもデブは嫌いなんすよね?」
「まぁ、そうだね。」
「元カノが、お菓子作りが趣味の人だったんすけど、俺がいつも残さず食べてたせいで太っちゃって、そしたら今度は、痩せろって怒り出したんすよ。ひどいと思いませんかー?!」
「あはは、それは災難だったね。」
「そうっすよ、そうっすよ。」
亮介は、ただただくだらない話をしたり、普段の美雨についていくつか質問しては笑ってくれ、美雨は、この穏やかな時間がずっと続けば楽なのに、と思った。

 

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みかぺん