mikapen’s diary

アメリカに住んでいます。旅行と読書と音楽が好きです。私のくだらないお話を聞いてください。

初めて小説を書いてみます10

今日もサクッとストーリーを流していきます。みかぺんです。

 

☆☆☆

 

「立花君は、お盆もずっとバイト入ってたよね?どこにも行かなかったの?」
「はい。今はお金を貯めてるんすよ。」
美雨は、貯金の目的を聞こうとしたが、彼女ができたと言われることを暗鬼し、とっさに「そうなんだ。」とだけ早口で答えた。そのあとすぐに、左手で右手の薬指を撫でながら、『聡君ごめん。』と心の中で謝った。
「俺、実は、」
「どうしたの?」
美雨は、やっぱり彼女ができちゃったと言うのね、と少々がっかりした面持ちで横を見上げると、亮介のキリっとした目、スッとした鼻筋、シュッとシャープなあごのラインについ見とれてしまう。
「俺、留学したいんです。美雨さんはアメリカに行ってたんですよね?相談にのってくれませんか?」
「え?」
美雨は驚くと同時に嬉しかった。
「もちろん。もしよかったら、バイトのあと一緒に留学支援センターに行ってみる?」
「まじっすか?ありがとうございます。」

 

☆☆☆

 

みかぺん

初めて小説を書いてみます9

はてなブログを利用している方々は、レポート系の記事が多く、創造的なことをやってる人って少ないですね。そんな評論家タイプの皆様から素人小説がウケるワケがないとは分かっております。場違いなのは重々承知の上でございます。でも、このブログというコミュニティーの中で、新しいものを作る人がいて、その挑戦や努力を応援する人がいて、そんなのも楽しいと思うことにします。そして、☆をつけてくださる方々には本当に感謝しております。ありがとうございます。以上、みかぺんでした。

 

☆☆☆

四、

 

「今日は暇だね。」
「はい。暇っす。まぁ、新人の俺には、これぐらいがちょうど良いっす。」
美雨のアルバイト先は高校に隣接したコンビニだ。夏休み中の今はほとんど客は来ないため、3つ年下の立花亮介と、レジの前で並んで立っている時間が長い。
「美雨さん、無事に彼氏さんに会えたんすか?」
「うん。東京観光してきたよ。暑いし混んでるし大変だった。」
「へー。楽しそうっすね。何か買ってもらったんすか?」
「ううん。特に何も。」
「そうなんすか?本当っすか?さっきから美雨さんの指が光ってるんですけどー。」
亮介は、わざと眩しそうな動作をしながら、ケラケラと笑っている。美雨は、いつも一緒に仕事をしたり、些細な話するうちに、亮介のことが少し気になり始めている。率直に言えば、亮介の整った顔が好きなのだ。離れていても愛してくれる聡のことを考えると、不埒な気持ちは絶対にいけないと自分自身に言い聞かせるのだが、一緒に過ごす時間が長いのだから惹かれてしまうのは無理もないのかもしれないと思ってしまう自分もいた。

 

☆☆☆

 

みかぺん

初めて小説を書いてみます8

毎日読んでくださりありがとうございます。

小説を開始してから、どんどん私の読者数が減っていってるのですが…。泣

でも、何事にも挑戦してみるのが大事だと思っています。

あと1週間くらいで結末までたどり着きますので、もう少々お付き合いください。

  『これは失敗ではない、上手く行かない方法が分かったんだ。』BYエジソン

 

☆☆☆

「誕生日プレゼントのつもりで買ったんだけど、就職祝いも合わせてでいいかな?おめでとう。」
「ありがとう。」
箱の表面に描かれている、美雨も知っているブランドのロゴをじっくり見つめながら慎重に蓋を開けると、中には小さいハートの付いた指輪が入っていた。

「かわいい。」目を丸くして驚いた。

「全然会えなくてごめん。誕生日祝いも1か月も遅くなっちゃったな。」
「いいの。私も忙しくしてたし、」と言ってから、とっさに強がってしまう自分の可愛げのなさに気付き、「もちろん。寂しかったけど。」と付け足した。
「その指輪は安物だけど、そのうちちゃんとしたのを渡すから。」
聡は、咳払いをするように、はにかんだ。美雨は、もちろんそれはプロポーズのことを指していると分かっているし、幸せなことだとは認識しているが、せっかく決めた就職はどうなるんだろうと思った。聡は、数年働いたら仕事を辞めて東京に来てほしいと言いたいのかもしれないが、美雨は定年まで働き続けたいのだ。それゆえ、聡との将来がまた少し見えなくなってしまったと感じた。
「本当にありがとう。これからは肌身離さずつけるね。」
美雨は指輪をはめると、右手を顔の前に持ち上げ、不安を隠すように、口角を目一杯に上げて笑って見せた。

 

☆☆☆

 

 

みかぺん