初めて小説を書いてみます8
毎日読んでくださりありがとうございます。
小説を開始してから、どんどん私の読者数が減っていってるのですが…。泣
でも、何事にも挑戦してみるのが大事だと思っています。
あと1週間くらいで結末までたどり着きますので、もう少々お付き合いください。
『これは失敗ではない、上手く行かない方法が分かったんだ。』BYエジソン
☆☆☆
「誕生日プレゼントのつもりで買ったんだけど、就職祝いも合わせてでいいかな?おめでとう。」
「ありがとう。」
箱の表面に描かれている、美雨も知っているブランドのロゴをじっくり見つめながら慎重に蓋を開けると、中には小さいハートの付いた指輪が入っていた。
「かわいい。」目を丸くして驚いた。
「全然会えなくてごめん。誕生日祝いも1か月も遅くなっちゃったな。」
「いいの。私も忙しくしてたし、」と言ってから、とっさに強がってしまう自分の可愛げのなさに気付き、「もちろん。寂しかったけど。」と付け足した。
「その指輪は安物だけど、そのうちちゃんとしたのを渡すから。」
聡は、咳払いをするように、はにかんだ。美雨は、もちろんそれはプロポーズのことを指していると分かっているし、幸せなことだとは認識しているが、せっかく決めた就職はどうなるんだろうと思った。聡は、数年働いたら仕事を辞めて東京に来てほしいと言いたいのかもしれないが、美雨は定年まで働き続けたいのだ。それゆえ、聡との将来がまた少し見えなくなってしまったと感じた。
「本当にありがとう。これからは肌身離さずつけるね。」
美雨は指輪をはめると、右手を顔の前に持ち上げ、不安を隠すように、口角を目一杯に上げて笑って見せた。
☆☆☆
みかぺん